トランプの城                            text / tagotago  1  日替わりのメイドに毎朝起される気分は、寝覚めが悪い私でも決して悪くは ない。  カーテンを開け放つ音が聞こえる。ぼんやり目を開くと窓枠に切りとられた 青空をバックに、見覚えのある少女がベッドサイドで振り向いた。  「おはようございます」  私はのろのろと起きあがり、寝起きの頭でその新入りメイドの名前を思い出 そうとする。  「着替えを」  「はい」  新入りメイドは変に恥じらった表情で私に背を向けクローゼットに向かう。 原因は私にあった。私の硬化したシンボルがパジャマを突き上げている。毎朝 のことなのだがあの新入りメイドは初見だ。  「脱がせてくれ」  少しいたずらな気持ちで私はパジャマのズボンを指す。  「はい」  少女は私の前にしゃがみ、突っ張ったパジャマを恐るおそる引き下ろしてい く。下着にくっきりとシルエットを浮き立たせる私のシンボルに正面から対峙 している少女の表情が見たい。小振りなレースカチューシャを付けた少女の髪 を見おろしながら、私はたずねてみた。  「名前は?」  主人に顔を向けて返事をしなければならない。そんな意識と眼前のシンボル への羞恥心とが葛藤しているのだろう。ほんの数秒の少女のとまどいを存分に 楽しみながら、もう一度たずねる。  「きみ名前は?」  顔をあげた少女の頬は柔らかなピンク色に染まっている。一瞬だけ目を合わ せて伏せられた瞳の残像は深く澄んでいた。  「優美です」  ささやくような声だった。  優美がまとっているメイドの制服はオーソドックスな黒のワンピースだ。パ フスリーブから伸びる華奢な腕が白い。ひざ上丈のすそにボリュームを無理に 持たせていない素直なシルエットが細身の身体に似合う。  年長組のメイドたちは黒のオーバーニーソックスをはき、U字型の小さなサ ロン・エプロンを腰につけているのだが、年少組は白いオーバーニーソックス と大きな肩フリルのついた装飾的なエプロンでちょっと子供っぽい。  胸元に顔を寄せて私のシャツのボタンを止める優美の吐息はオレンジの香り がした。仕事の前にキャンディを舐めていたのだな。私と接する初めての仕事 だというのに。緊張と無邪気さがちぐはぐに交錯する年頃なのだろう。エプロ ンのポケットにはペパーミントや林檎のキャンディが一握りも入っていそうだ。  小柄な身体がいそいそとベッドルームを動き回る。両腕を精いっぱい伸ばし て大きすぎるベッドを整えている優美に私はたずねた。  「ここに来て何日になる」  「一週間になります」  一週間か。  今朝、優美が私を起こしに来たのは、すべてのメイドを取り仕切る執事長の 判断だろう。見習い期間終了というわけだ。  「今日から、朝の奉仕に加わるのかい?」  「はい。すぐに参ります」  奉仕の対象である私のシンボルは、まだ隆起を保ったままだった。  2  ドレッシングルームでヒゲを剃りながら新生活の印象をたずねてみる。鏡の 中で、タオルを持った優美がこの大忙しの一週間について話し始めた。  多少私に慣れてきたのだろう。だんだん滑らかになる優美の新発見と冒険談 を聞きながら廊下を歩く。  「今日の午後は、厨房のオーブンでケーキの焼き方を習います」  扉のノブに手をかけながら優美はそう言って微笑んだ。初めて見せる笑顔だ った。その重厚な扉の向こうに、私の謁見の間であるリビングがあった。  「おはようございます」  清楚なメイドの制服に身を包んだ娘たちが一斉にあいさつした。  私は両足を投げ出すようなだらしない格好で猫足のソファに身を沈めメイド たちを見まわした。年長組のメイドが6人、白ソックスの年少組が4人、年齢 順に一列に並んでいる。  今日は誰が主人の指名を受けることができるのか。誰が他のメイドたちを差 し置いて主人に奉仕できる栄誉を授けられるのか。みな緊張した表情で私の一 挙手一投足を見守っている。  毎朝そうするように、私は落ち着き払った態度でゆっくりとその名を口にす る。  「優美」  まったくの新人の名が最初に呼ばれるのは少々意外だっただろう。メイドた ちに緊迫した空気が広がる。  「サイドテーブルの引き出しにローターが入っている。出してくれ」  おぼつかない手つきでローターを取り出す優美に、最年長の由香里がすかさ ず歩み寄ろうとする。ローターのような主人専用の道具を用意するのは、少な くともメイドたちの間では年長組の特権と見なされている。私は手振りで由香 里を制止し優美を呼び寄せた。  「奉仕をよく見ていなさい」  モノトーンの制服に不似合いなチープな色のローターを手のひらに載せたま ま、優美は私のかたわらに立った。  ついで由香里を手招きする。由香里は年少組の頃からもう6年私に仕えてく れている。  「キスしてくれ」  由香里はベテランらしく控えめだが手慣れた所作で私のシンボルを取り出し、 そっと口づけをはじめる。投げ出した両脚の間にひざまずいた由香里の眼差し は指名してくれた私への感謝の念に満ちている。  由香里のキスはやさしく上品だが普段以上に熱がこもり、一秒でも長く私の シンボルに触れていたいというように、首を左右にかしげながら私の裏側から 先端までくまなく唇でたどっていく。やはり優美の存在を意識しているのだろ うか。  並んだメイドたちが畏敬と羨望に満ちた表情で、由香里の奉仕を受ける私を 凝視する。その視線が心地よい。彼女たちは私の目くばせひとつ、指先の合図 ひとつで、ただちに私への奉仕に取り掛かる態勢のままじっと待っている。心 の中では切望と焦燥、落胆とジェラシーが渦巻いていることだろう。  優美は正視できない様子で、足元に視線を落としたまま私のそばに立ってい る。それでも由香里の姿は視野に入っているはずだし、由香里の唇が私のシン ボルと絡み合って立てる微かな音も優美の耳に届いているはずだ。  優美のプロフィールを読み忘れているのを思い出し、千佳に優美の日報ファ イルを持ってこさせる。ここにやってきた日からメイドたちに記入させている ものだ。千佳が日報冒頭のプロフィールを読み上げる。  「4月8日現在   身長:154cm   体重:43kg   サイズ:B72       W54       H76   手戯奉仕経験:ありません。   口唇奉仕経験:ありません。   精飲奉仕経験:ありません。   性交奉仕経験:ありません。   肛門奉仕経験:ありません。   オルガスムス経験:あります」  由香里のキスの次は千佳のつもりだった。年長組の落ち着き払った千佳が、 今手にしているローターに声をあげて乱れるさまを優美に見せようと。だが、 ふと疑問がよぎった。私への奉仕を見て優美はどう感じているのだろう。興奮 するのだろうか。  優美は今、濡れているのだろうか。  調べてみよう。私は念入りなキスを続ける由香里の髪を軽く撫でて労をねぎ らい、切り上げさせた。  手のひらにローターをのせた姿勢の優美を、開いた私の両脚の間に立たせる。 由香里の奉仕によって鋭く硬化した私のシンボルが優美を威嚇する。  両手が使えない優美の代わりに、由香里と千佳がスカートの中程をつまみ、 すそを引き上げあげていく。オーバーニーソックスの上端から白くきめ細やか な質感の太ももがあらわれる。  目を閉じて耐える表情の優美の両ひざが小さく震えだし、意外な量感を秘め た太ももの付け根とともに、真新しい白いショーツがあらわれた。明らかにお ろしたてだった。優美もメイドが行う奉仕について概念としては知っていたは ずである。今日のために優美なりにキメてきたのだろう。  両手を優美の腰に回しショーツに指をかける。優美は小さな声を漏らしてロ ーターを手のひらから落とした。しかし私に抵抗するわけにもいかず、胸元に 手を当てて耐えている。ほのかな甘い体臭を嗅ぎながらショーツをひざ上まで 引き下ろすと、ごく淡いヘアを飾った優美のプライバシーが露出した。  ゆるやかに盛りあがる優美の丘陵地帯に滑らかに切れ込む谷間が美しい。谷 からつつましくのぞく優美のふちどりも少女らしい淡い色を見せている。指を 添わせるように当ててみる。優美が思わず息を止め、閉じられた両脚に私の手 が挟まれる。優美の部分は新生児の皮膚のように柔らかく、熱を帯びていた。  そのまま、名前を呼んだ。  「優美」  「…はい…」  優美がかろうじて目を開ける。私は優しい口調で尋問を始める。  「ここを誰かに愛撫されたことがあるのかい」  優美は首を振る。  「だが、オルガスムスの経験はあるんだね」  優美は答えられずにいる。  「つまり、自分でしてみたわけだね。こんなふうに」  優美の谷間に指先を割り入れる。  「…んっ…」  「もちろん、してみただけでなく」  指を押しつけるように力を入れてみる。  「…んんっ…」  優美がひざを震わせる。  「達するまでその行為に耽ったんだね」  指全体でゆっくりとこねてみる。  「…ん…んっ…んっ…」  「それも、一度や二度ならず」  最初に触れた瞬間に優美が濡れているのは確認できていた。今、割り入れた 中指だけでなく、私の三指を優美がさらに濡らしていくのがありありとわかる。 無言のまま、優美の身体は私の問いを肯定していた。  左腕を優美の腰に回し、引き倒すようにソファに尻もちをつかせる。由香里 が私の眼の動きを察して、優美の両ひざに細く伸びているショーツを抜き取り、 千佳と二人で閉じようとする優美の両脚を押え込む。  両脚の間に陣取った私は、優美の処女地に顔を寄せた。指を添えてゆっくり と優美を割り広げてみる。  「…ん、ん、ん……」  新鮮な粘膜の色。白くきめ細やかな肌と優美の内側の鮮明なピンク色、その 色鮮やかな対比にしばし見とれ、感動すら覚える。優美の液体は谷底にやや白 濁して溜り、わずかな愛撫で溢れ出しそうだ。  「…ぁぁっ…」  由香里と千佳に足首を持たせ、優美の両脚を思い切り開脚させてみる。予想 外の動きだったのだろう、優美が初めて悲鳴らしい声をあげた。花のように開 いたワンピースのすその中心に、アクロバティックな姿勢で開かれた白い脚と、 淡く色づいた優美の前後の器官が浮かび上がる。  優美の身体はバレリーナのように柔らかく、しなやかな弾力を見せながら両 脚がほとんど水平になるまで開いた。ずばぬけた柔軟性だった。この少女はど んな体位でも苦もなくこなし、存分に私を受け止めつつみずから動いてみせる に違いない。  極限まで開かれた優美の器官が息づくように収縮する。愛液が溢れ出し、肌 を伝って流れ落ちる感触に優美が背を反らせて身震いするのが見えた。  3  この部屋に入る直前、優美は今日ケーキの焼き方を習うと言った。  「コレミツさまはどんなケーキがお好きですか?」  「私は甘いものは苦手だよ」  扉の前でそう答えると、優美のスウィートな笑顔はたちまち、信じられない、 心底私に同情するという表情に変った。  今ソファの上で、二人の年長メイドに足首をつかまれて体操選手のように開 脚され、年頃の少女の秘密をその内側まで暴かれている優美は、今日あといく つの表情を見せてくれるのだろう。  不自然なまでに開かれた両脚と黒いメイド服のギャップに眼と指が吸い寄せ られる。午前の陽光が窓から差し込み内ももに微かに透かす静脈を指でたどっ てみる。  血液の流れをトレースするように、ひざうえから優美の中心部に向けてゆっ くりと指先を滑らせる。指先に伝わる肌の質感と、指の動きに反応する優美の 息づかいに、何度も繰り返さずにはいられない。  「…制服が…」  優美の豊かな感受性を示す液体が溢れ、その下方にある美しくすぼまった粘 膜の器官に流れ落ちていく。  「…制服が…汚れちゃう…」  引きずるように滑らせた指先を谷間のきわで止める。  「優美」  直接触れることはせず、周囲を押し広げるように包皮をすそ野へ引っぱって みる。  「まだ触れてもいないのに」  つやを帯びた優美の突起が露出する。  「もうすっかり尖らせているな」  これから優美は奥屋敷のメイドとしての試練を経験することになる。  一見整然と協調しているように見えるが、メイドたちの間には上下関係と相 互牽制による厳しい緊張が常に存在する。  ジェラシーと焦燥を恒常的な憎しみに変えないよう、私は主人として彼女た ち一人ひとりに最大の配慮を払ってはいる。だが、めまぐるしく変動する彼女 たちの感情と力関係を読み切れる自信は無い。私の不用意な指先の動きひとつ で、メイドたちの秩序はあっけなく崩壊するだろう。  プレッシャーに耐えられず体調や精神状態が不安定になるメイドもやはりい て、仕事に粗相があったりプロポーションを崩したりすれば、私に直接触れる ことのない雑多な家事に回されてしまう。  そうした理由で何人ものメイドが身の回りから姿を消していくのは残念だっ た。が、配置替えの前にせめてしばらく持ち直すための猶予を与えられないか という私の問いに、執事長は眼光厳しく答えたものだ。それではメイドたちの モラールが保てませんと。  なぜか微かな不安がよぎる。むしろ、試練を課されているのは私かも知れな い。私の指先を震えさせ、私の城を崩壊に導くのはこの少女なのかもしれない。  こんな少女に何を怖れる。迷いを振り払うように、私は優美の下半身に顔を 寄せた。  脚を押さえていた由香里と千佳がソファの背後に回り、慇懃だが高圧的な手 つきで優美の頭を押さえ私に向けさせる。自分の下半身からも私の行為からも 目をそらすことができないように。  「優美、目を開いて私を見ろ」  かろうじて開いた優美の目を見つめながら静かに宣言する。  「優美を味見してやる。優美の中を全部探ってやる」  指をかけて開いていく。  「私の舌で優美の内側を全部なぞってやる。どんな小さな襞も、しわも、舌 の先でめくってやる」  たかぶりを秘めた優美の瞳が私を凝視する。  「優美のクリトリスをしゃぶってやる。舌を尖らせて掘り起こしてやる。ク リトリスの皮が唾液でふやけるくらいしゃぶってやる」  吐息がかかるほど唇を近づける。次のアクションを予期して優美が声を漏ら す。  一呼吸置いて、優美の突起に尖らせた舌先をそっと当てると、細いあごを震 わせて優美の上半身がうねった。  「…ぁぁぁ…」  私は優美の感触と味、そして声をじっくり鑑賞しながら舌を使う。優美が溢 れさせた液体を猫のように舌ですくい取り音を立てて吸引する。優美の核心を 私の温かい舌で小さく磨き込み、じっくりと吸い、ときどき唇で挟み込むよう に震わせ、舌先で弾いてやる。  執拗な舌から逃れるように優美が腰をくねらせるが、そうはさせない。優美 の小振りな尻を両手で力強くつかみ、手のひらと食い込む指に満ちる弾力を楽 しみながら優美に教えこんでやる。優美の性器が私のものであることを。  舐めながら指を挿入してみる。  「…ぁぁぁ…」  「どうだ、私の指は」  「……」  何度かうながされてようやく優美が答える。  「…長い…です…」  指の腹で中を探りながらたずねる。  「長いか…何と比べている」  「……」  「優美の指より、か」  「…長いです……長くて……ぁぁっ……」  言葉が途切れた。優美のポイントを捉えたらしい。指を曲げるようにその位 置をしつこく確認しながら、同時に舌を使う。  優美の両脚がつっぱり、腰がソファから浮きはじめる。時おり性器を突き出 すように腰が暴れかける。  ここから追い込みをかければ、すぐにでも臨界に達するだろう。そんなぎり ぎりの現状維持を優美の心身にたっぷり味わわせる。  メイド服のまま乱れる優美を、眼と耳と指と舌で心ゆくまで堪能しながら、 私はローターをひろいあげスウィッチを入れた。  4  ブウンというローターの唸りをたっぷり聞かせたあと、未経験の優美にその 感触を予想させるように、優美の指先に押し当ててみる。喉の奥から微かな悲 鳴が漏れ、優美は禁じられたものに触れてしまったようにあわてて指先を逃げ させる。  「目を閉じるな」  ローターの振動子を優美に見せつけながら、優美の繊細な突起部にツンと接 触させる。振動を味わう間もない一瞬の接触だけですぐに離す。  「んっ。」  反射的に優美が声をあげ、ひくりと反応する。太ももに力が入り、私の目の 前で淡い褐色の門が収縮する。  尖りきった感覚器をやわらかく舌でなだめ、ローターを見せびらかすように フェイントをかけながら、またツンとローターをくれてやる。再び震える声が 漏れる。  しばらくそんな遊びを繰り返しながら、優美の感覚をクリトリスに集中させ ていく。繊細で利己的な優美のクリトリスを渇望で充満させていく。  「お願いしてみろ」  一秒ほど押し当てたかと思うと、また一瞬だけの接触に戻る。また舌面でや わらかく舐めてやる。  「ローターをくださいと言ってみろ」  私の意のままに噴き出す優美の嬌声を楽しむように、そんな遊びを繰り返す。  「ん……く…ださい…くだ…さい…」  せっぱ詰まった優美が、うわ言のように繰り返し求め始める。  「…ください……くだ…さい…ぁんん…ください…」  ローターを懇願する優美の切なげな表情に、私はなぜか清純さに似たものを 感じて、たまらなく優美が愛おしくなる。  「よし。今、やる」  充分間合いをとって、優美の核心部にローターを触れさせる。ブゥゥゥンと くぐもるように振動音が変化する。  「ああああああああああ!」  待ちわびた刺激に、クリトリスを頂点にして優美の全身がぎゅっと反り返り 悦びを表現する。  「優美、可愛いぞ」  半ば浮かせるような微妙な接触を保ちながら、やわらかく手首を効かせてロ ーターの振動としびれをこね広げてやる。  「ふぁああ…ぁあああっ…くんっ…ぁああ…」  上気した色白の身体が、私の手首の動きにいじらしいほど反応する。快感を ねだるように腰を擦り付け、恥じらいも忘れて私の指先に泡を絡めてくる。  乱れる優美を見守る先輩メイドたちは、優美が失禁でもして失態を晒せばい いと思っているかもしれない。いや、失禁したらしたで、そこまで主人の愛撫 に耽溺できる優美の感受性に嫉妬するだろうか。  目を閉じて没入する優美の声が止まらなくなる。指先でローターの当りに小 刻みな強弱を与えるたび幼女のように素直に泣きじゃくる優美の声を楽しみな がら、私は最後の躾をする。  「いく時は『いく』って言うんだ」  今日は、密かな自慰とは違う、あられもない絶頂を味わわせてやる。  「……まって……」  心の準備が出来ていないのか。その言葉を口にするのをためらっているのか。  「……まって…ください……」  かまわず私は、手加減無い追い込みをかける。激しくあえぎ泣きじゃくりな がら、優美が絶頂の言葉を小刻みに連呼しはじめる。  「…ぃく…ぃく…いく…ぃく…」  細かな反復運動で疲れ切った右腕に最後の気合いを込めて、優美にとどめの リズムを連打すると、最期の声を噴き上げながら優美が全身を引きつらせた。  「ああああ。い。く。」  緊張の頂点にある全身が跳ねるように律動する。優美の内部で激しいオルガ スムスが炸裂しているのが手に取るようにわかる。  そのリズムに合わせて、うねるような波でローターを与え、頂点でのダメ押 しの苦悶と快感を優美の性器に刻みこんでやる。快感の波が跳ねるたびに優美 の上半身が傾き、ソファにあお向けにずり落ちていく。  優美は叫ぶように口を開くが、声も出せずただ首をのけぞらせる。優美の両 手は、責めたてる私の右腕を指先が食い込むほど力を込めてつかんでいる。  いくつもの残響を残して快感の律動が静まり、優美の全身からぐったりと力 が抜けた。  頬を上気させた優美はうっとりと目を閉じたまま多幸感に包まれている。私 が満足したと見て由香里と千佳が優美をソファから起そうと手を伸ばしかけた。 だが、私は優美を見つめていたかった。今夜、優美は自分のプロフィールにど んな言葉を書き加え、どんな日報をつけるのだろう。  解放感のせいだろうか、ふわりと開いた優美の瞳から涙が溢れ出た。  「大丈夫か」  うなずいた優美が笑顔を作ろうと努力して見せる。  私は優美を力いっぱい抱きしめ、初めて優美の唇を奪った。  唇を離すと、優美がわたしをまっすぐに見つめた。今朝、ベッドルームで見 たのと同じ深く澄んだ瞳で優美はささやいた。  「私を愛してください」  その瞳に吸い込まれるように再び口づけする。舌を差し入れると優美はけな げに答えてくる。清純な口内に唾液を流し込むたび優美は従順に嚥下した。  私の中に強い欲望が湧き上がってくる。優美に挿入したい。脈打つ私のシン ボルを優美の身体に根本まで突き立て、ほとばしる熱い液体を優美に浴びせた い。  衝動的に、私は優美のワンピースのラウンドネックに両手を差し入れた。大 きく息を吸い込み渾身の力を込めると、耳に障る高音とともにワンピースが左 右に裂けた。  すでに少女の下半身に口淫すら果たしているにもかかわらず、黒いワンピー スの裂け目から露出する鎖骨と両肩の白さがまぶしい。  一気にエプロンごと胸の下まで引き下ろす。ホックを外す余裕もなく、その ままノンワイヤーブラをずり上げると優美の両胸が抵抗も無く現れる。  なだらかな膨らみだけに、色づいた先端部が尖って見える。欲望のままに、 そのささやかな胸を周囲から先端へ絞り出すようにつかむ。小さな先端を指の 腹でつまみ、無遠慮にねじり回す。優美はおびえるそぶりもなく、私の乱暴な 愛撫に身を任せている。  わずかなボリューム感を懸命に伝えてくる優美の胸が愛おしいと同時に、優 美の小柄な肉体に手加減無く欲望をぶちまけたい衝動がさらに湧き上がってく る。  一列に並んで控えているメイドたちには、はっきりと見えていただろう。た かが新入りメイドのために、私のシンボルが惜しげもなく先走りを溢れさせて いるのが。  「やめるか」  私の最後の問いに、優美が無言で首を振った。優美の軽い身体を一気に抱き 上げ、体勢を入れ換えるようにソファに浅く座ると、私のひざに優美をまたが らせた。由香里と千佳に手伝わせ優美の入り口に私をあてがわせる。  明らかにきつい。だが優美の腰と太ももを押さえつける由香里と千佳は乱暴 な男より容赦なかった。優美は本能的に私の身体に手をついて腰を浮かせよう とする。二人は邪険にその手を払いのけ、そのままずぶずぶと優美の腰を沈め 貫通させる。  挿入の深さに比例するように優美の顔が痛みにゆがんでいき、私と優美は対 面座位で完全に結ばれた。優美は懸命に痛みをこらえながら、瞳だけでなく鼻 の頭まで赤くして大粒の涙をこぼしている。  私の首にすがるように、優美が両手をまわし抱きついてくる。両手で優美の 腰を引きつけ、熱を帯びた優美の内部を突き上げながら、崩壊の瞬間に向けて 私は急速に駈け登っていった。 ------------------------------------------------------ トランプの城                    text / tagotago version 1.0 2003-04-13 version 1.1 2003-05-25 from "tagotago's TXT" http://members.tripod.com/~tagotago/index.htm Tagosaku Yamada ------------------------------------------------------